物性科学*固体地球科学

私たちの身の回りに存在する物は一般的に、熱が加われば柔らかくなり、圧力が加われば固くなります。この柔らかさや固さはどのようにして定量化ができるでしょうか?私はそのような物の性質を定量的に示す為の組立量である、「物性」を研究しています。
最近は主に高圧流体物性の計測技術開発や数値実験的手法によるアプローチの研究に取り組んでいます。中でも、「物性」に着目した地球を対象とする研究を好んでいます
地球は、地震波の伝播に代表される数秒程度の時間スケールの力に対しては、外核と呼ばれる部分を除き、ほぼ弾性体として振舞います。一方、1億年といった非常に長い時間スケールの力に対しては、ほぼ粘性流体として振舞います。Muramoto et al. (2023)では沈み込む海洋地殻と大陸地殻が粘弾性媒質で構成されていると仮定し、プレート境界と分岐断層の接合している付近で歪と応力が時空間的にどの様に発展するか、を有限要素法を用いてシミュレーションし、その結果から天然の現象を考察しました。

執筆日:2023/06/02